まず、御社の事業内容と運営されているウェブサイトについて教えていただけますでしょうか。
片山:
当社はケーブルテレビ事業からスタートし、現在はインターネットやモバイルサービスを主力として展開しています。また、オンライン診療やスマホ保険など、暮らしを支える新しいサービスも次々と展開しています。さらに、専門チャンネルの運営や動画配信サービス、地域密着型の番組制作など、メディアエンターテインメント事業も手がけています。
ウェブサイトについては、デジタルコミュニケーション部で5つの主要サイトを運営しています。
• 新規顧客向けのサービスサイト
• オンラインショップ
• 既存顧客向けのマイページ
• サポートサイト
• 番組情報サイト
加えて、広報部で企業情報サイトを運営しており、計6つのサイトを展開しています。

2年連続でユーザビリティランキング1位、また「TRIBECK USABILITY OF THE YEAR」を受賞されましたが、社内での反響はいかがでしょうか。
片山:
もともと社内で注目していたランキングであったことと、2年連続で1位を獲得したことで、注目度はさらに高まりました。ユーザビリティ強化の重要性が社内で改めて認識される良いきっかけとなっています。
三野:
社内の各部門からウェブサイトのデザインや構築に関する相談を受けることが増え、「日本一のユーザビリティを持つサイト」として、社内での認知も高まってきています。各サイトの担当者も、ユーザビリティを維持・向上させていくことを常に意識するようになり、組織全体の意識改革にもつながっています。
ユーザビリティ向上の高評価につながった具体的な取り組みについて教えていただけますでしょうか。
片山:
改善は大きく2つの軸で進めています。1つは日々の運用における細かな改善で、お客さまからの問い合わせに応じて毎日のように実施しています。
もう1つは大規模な再構築プロジェクトです。2021年にスタートし、2年かけて全サイトの段階的な改善を実施しました。
また、年間を通じた定期的な改善として、トライベック社によるユーザビリティ診断をきっかけに、半年間かけて全サイトの担当者と改善に取り組んでいます。
この診断結果を活用することで、客観的な視点での改善ポイントの特定が可能となり、効果的な改善活動につながっています。
改善プロジェクトについて、組織体制の面での工夫はありますか。
片山:
以前は各サイトが別々の部署で運営されていましたが、組織改編により5つのサイトをデジタルコミュニケーション部に集約しました。これにより、改善活動がより円滑に進められるようになっています。マーケティング本部の傘下で、組織としての意思決定や方向性の共有がスムーズになったと感じています。
これらの継続的な改善を可能にしている要因は何でしょうか。
三野:
2021年の再構築プロジェクト時のメンバーが、現在も各サイトの担当者として活躍していることが大きいと考えています。「お客さまにとって使いやすいウェブサイトの実現」というマインドが共有されているからこそ、継続的な改善が可能になっています。
今後は、このノウハウや考え方を次世代に引き継いでいくことが課題です。また、生成AIなどの新しいテクノロジーを活用しながら、さらなるユーザビリティの向上を目指していきたいと考えています。

各サイトの成果指標や目標はどのように設定されているのでしょうか。
栗田:
マーケティング本部全体としては、NPS (Net Promoter Score:顧客ロイヤルティを測るための指標の一つ)の改善とお客さま満足度の向上を大きな目標としています。その上で、各サイトの特性に応じた指標を設定しています。
• 新規顧客向けサービスサイト:新規加入申し込み数と申し込み完了率の向上
• マイページ:既存顧客の手続き完了率の向上
• サポートサイト:デジタルでの問題解決率の向上
• 番組情報サイト:視聴促進
など、これらの指標に加えて、トライベック社のユーザビリティ診断を含む第三者評価機関による評価も重視しています。
ユーザビリティ向上による、具体的な効果はありましたか。
栗田:
実際の現場での活用が特に印象的です。例えば、コールセンターのスタッフが顧客対応時にオンラインショップを活用し、視覚的な説明ツールとして利用するなど、想定以上の活用方法が生まれています。
三野:
また、SNSでの分析からも、「サイトが見やすくなった」「手続きがしやすくなった」といったお客さまの声もいただいています。さらに、ウェブでの手続き完了率も飛躍的に向上しており、実質的な成果も出ています。
今後の課題についてお聞かせください。
片山:
大きな課題として、AIの活用があります。サポート領域でのAI活用を進めており、特にチャットボットでのカスタマーサポートを検討しています。他にも、マーケティング領域でAIを活用できるようにし、サイト分析~改善のサイクルをより柔軟に回していけるようにしたいと考えています。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
片山:
ユーザビリティランキング1位の評価をいただいたことで、社内でのウェブサイトの重要性への理解が深まり、ブランド強化の観点からも注目度が高まっています。この勢いを活かし、さらなる改善を進めていきたいと考えています。
特に、パーソナライゼーションの強化や、AIを活用したサポート品質の向上など、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしていく予定です。長年J:COMをご愛顧いただいてるお客さまにも、新たにご契約いただいたお客さまにも、それぞれに寄り添ったサービス提供を実現できればと考えております。徹底的なお客さま目線というマインドを持ちながら、今後もウェブサイトの品質向上に努めていきます。