まずは、部署の業務内容についてお聞かせください。
市川:
コスモエネルギーグループは、エネルギー資源の開発、石油製品の精製・販売、石油化学製品の製造・販売、再生可能エネルギー事業など、幅広い事業を展開しています。私たちが所属するコーポレートコミュニケーション部は、自社のブランド戦略と広報機能を担う部署として、ブランド戦略グループと広報グループの2つで構成されています。
私たちブランド戦略グループは、皆様から信頼される企業となるため、社内外に向けたブランディング活動を推進しています。その重要な取り組みの⼀つとして、コーポレートサイト運営を担当しています。
コーポレートサイトの運用はどのような体制で行っているのでしょうか?
高橋:
社内の運⽤体制は、コーポレートコミュニケーション部とグループ会社から2名が参加する事務局で構成され、そのカウンターとなるベンダー側のフロントメンバーが5名程度関わっています。さらにその後⽅では、エディター、プログラマー、デザイナーなど、様々な専⾨スキルを持つスタッフで⽀援体制を整えています。
当社の特長は、⼀般的な企業のコーポレートサイトと比較し、積極的に改善活動に取り組んでいることです。多くの企業では、数年に1回程度の外部調査の結果をもとにサイト改善を検討するケースが多いと思われますが、私たちはアクセス解析などからペインポイントを見つけ出し、PDCAとして日常的に改善サイクルを回しています。
具体的には、ヒートマップツールを使⽤したユーザー⾏動の分析や、アナリティクスでのデータ分析から、離脱率や回遊率の改善ポイントを検討しています。
サイト改善における目標設定や評価指標についてお聞かせください。
市川:
私たちは、コーポレートサイトの⽬標をブランディング活動全体の⽬標と紐付けて設定しています。まず、ブランド戦略における対象セグメントを明確にし、その中でサイトに訪問するユーザーが求めている情報は何か、何が不⾜しているのかを分析します。
例えば、コンテンツカテゴリーごとにKBO(Key Business Objective:重要な事業⽬標)を設定し、それを測定するためのKPIをアナリティクスで計測するため、専⽤のダッシュボードを構築しています。
来訪者の⽬的や属性が異なる人事、経営企画、サステナビリティなどの部署が管理するコンテンツについて、各部署のコンテンツオーナーと個々のKPIの数値を共有することで、積極的な改善意識の醸成に役立てています。

2023年に大規模なリニューアルを実施されたそうですね。
市川:
はい。2023年3⽉に、データ移⾏とUIの改善を含む⼤規模リニューアルを実施しました。これは当社の第7次中期経営計画のタイミングに合わせたもので、約半年という短期間で情報設計を大幅に見直し、600ページ規模のデザイン刷新するプロジェクトを完遂しました。
その後も継続的な改修を重ね、2024年3⽉にはよりUXを意識したUIの改善と、ガイドラインの整備やルールの体系化も実施しました。
リニューアル後の成果はいかがでしょうか?
高橋:
リニューアル後、ユーザーの滞在時間やページビュー数など、各種指標において改善が⾒られています。さらに嬉しいことに、IR関連の外部評価でも優秀賞を受賞するなど、社外からの評価も着実に向上しています。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。
市川:
コーポレートサイトは企業の重要なコミュニケーションツールとして、ステークホルダーに向けた情報の鮮度や即時性を重視しています。その上で、より多くの⽅々に当社を知っていただき、コスモエネルギーグループにより共感していただけるような情報提供を⽬指しています。
高橋:
私たちは、Webサイト運用の専⾨知識を持つメンバーが中核となってプロジェクトを推進できる環境下にあります。この強みを活かし、来訪者が求める情報をよりスムーズに提供できる使いやすいサイトを⽬指して、さらなる進化を実現したいと考えています。