まず、御社の事業について教えてください。

谷本:
当社は、医療用医薬品*に特化した研究開発型の製薬企業です。独自の技術とサイエンスを強みとしており、革新的な医薬品を世界中の患者さんにお届けしています。
2002年にスイスに本拠地を置くロシュ社と戦略的アライアンスを開始したことで、ロシュ製品の国内独占販売と自社製品のグローバル展開の効率化が可能となっています。収益基盤が安定し、革新性の高い技術・創薬への集中投資ができるようになりました。現在は110カ国以上で、当社の創製品が承認されています。

*医師によって処方される、または医師の処方箋に基づいて使用される医薬品のこと

コーポレートサイトの運用方針について教えてください。

谷本:
当社の公式サイトとして、患者さん、株主の皆さまや求職者など幅広いサイト来訪者に向けた適時適切な情報開示を最優先としています。あわせて、ポリシーやガイドラインに基づくガバナンスのもとでサイトを運用し、ユーザビリティやアクセシビリティへの対応にも全社で取り組んでいます。
デザインは創業100周年を機に策定したビジュアルガイドラインに沿うことでブランドの一貫した表現を実現しています。また、対外的に発信する内容は、私たち広報担当者が目を通し、企業イメージの維持・向上につながるよう努めています。

桑子:
コーポレートサイトは当社に関心を持った方が最もたどり着きやすい「会社の顔」ですから、ブランド力を高めていく役割も担っていると考えています。
ただ、当社の製品は医師の処方箋が必要な医療用医薬品であるため、製品を前面に出して紹介することは、法律上できません。このような制約がある中で、どのようにして当社の強みや独自性、患者中心の価値観、ユニークなビジネスモデルを伝えていくのかが最大の課題となっており、全体のプランニングの中でもかなり力を入れています。

(写真左から)川端様、谷本様、桑子様

昨年のリニューアルにおいてもブランディングに注力されたのでしょうか。

谷本:
当社の強みである技術とサイエンスの訴求を高めるため、ナビゲーション上に「イノベーション」を新設し、目に留まりやすい構造にしました。従来のサイトは情報をフラットに配置し、訪問者に必要な情報を選んでいただく構造でしたが、新サイトでは、当社の強みやメッセージをより的確に届けることを意識して、サイト構造やページ構成を設計しました。上位レイヤーでは、全体像を理解しやすいよう、コピー・ファクト・ビジュアルを組み合わせ、見せ方を工夫しています。

桑子:
もう一つの大きな変更が、「ストーリー」という読み物コンテンツの新設です。組織としての説明だけでなく、もう少し臨場感のある社員の顔が見えるコンテンツが欲しかったためです。患者さんのためにより良い医薬品を届けたいという想いと、そこに関わる社員だけでなく、医師、患者団体、行政、協力会社など、さまざまな方々との共創の姿を伝えたいと考えました。
これらのストーリーコンテンツを、当社の強みであるテーマごとにハッシュタグによるカテゴリー分けを行い、関連する事業紹介ページに自動表示される仕組みを構築しました。ページ内の回遊を促進するという点において、数値的にも成功しました。

成果指標はどのように設定されていますか。

桑子:
ブランディングの指標としては、サイトだけでなく松坂桃李さんを起用した「創造で、想像を超える。」テレビCMシリーズや、ウェブ広告なども含めた統合的な広報施策の効果と、一般の方の認知やイノベーティブ企業としてのイメージを測るブランド調査を定期的に行っています。
サイトについては、コンテンツごと、ディレクトリごとにアクセスの変化を分析し、オーガニック検索など流入元別の傾向や内部回遊の状況を見ています。全体としては、どんな方がアクセスしても使いやすいという"ユーザビリティ"と"コーポレートサイトとしての総合的な魅力"を重視し、トライベックさんはじめ外部評価機関の調査結果をKPIとしています。

今後どういった改善を行っていきたいか、展望があれば教えてください。

谷本:
今回、ユーザビリティランキングで上位にランクインすることができ、サイトの枠組みとしてはある程度整ったと考えています。今後はユーザビリティを維持しつつ、コンテンツの質を上げていきたいと考えています。

川端:
最近は生成AIの普及に伴う検索流入が低下する傾向も見られており対応を検討しています。また、一つひとつの課題に向き合って、ユーザー視点に立った分かりやすい情報提供とコンテンツ品質の向上に取り組んでいきます。